九谷シンブル No.38フウセンカズラ
花から実へ、小さな器にめぐる季節
細い蔓の間に咲く、可憐な白い花。
その先には、紙風船のようにふっくらと膨らんだ緑の実が揺れています。
九谷シンブル No.38に描かれているのは、夏から秋にかけて花を咲かせ、愛らしい実を結ぶフウセンカズラです。絵付けを手がけたのは、花を題材とした作品を数多く制作する九谷焼作家・大兼政道子さんです。
フウセンカズラは、細い巻きひげを伸ばしながら育つ蔓性の植物です。夏に小さな白い花を咲かせ、その後に、風船や提灯を思わせる緑色の実をつけます。
このシンブルには、白い小花と膨らみ始めた実、伸びやかな蔓、重なり合う葉が一つの景色として描かれています。花から実へと移り変わる、植物の静かな時間まで小さな器面に収められているかのようです。
大兼政道子さんの作品に見られる魅力の一つが、やわらかな色彩です。葉と実には透明感のある青緑を、花には白と小さな黄色を配し、裾には淡い赤茶色の葉文様を巡らせています。
鮮やかな色で画面を埋め尽くすのではなく、白磁の余白を残しながら淡い色を重ねることで、風に揺れるフウセンカズラの軽やかさが表現されています。輪郭線も強く主張せず、花や実が白磁の中へやさしく溶け込んでいきます。
シンブルを指先でゆっくり回すと、蔓の間から白い花が現れ、その先に丸く膨らんだ実が続きます。見る向きによって花と実の組み合わせが変わり、植物の周りを歩きながら眺めているような楽しさがあります。
やがて実の中にできる黒い種には、白いハート形の模様が現れます。可憐な花を咲かせ、風船のような実を結び、その中で翌年へ命をつなぐ種を育てるフウセンカズラ。その姿は、実りや成長、大切な人とのつながりを静かに感じさせます。
花を愛する方への贈り物として。
新しい実りや、健やかな成長を願う小さな一品として。
大兼政道子さんの淡い色彩と、フウセンカズラのやさしい季節を、手のひらの上でお楽しみください。
商品情報
- 商品名:九谷シンブル No.38「フウセンカズラ」
- 絵付け:大兼政道子
- 企画・商品化:株式会社九谷陶泉
- 素材:磁器
- 産地:石川県
- サイズ:約3cm
- 付属品:専用箱
※一つひとつ手仕事で制作されているため、絵付けの線や色の濃淡、文様の表情には個体差があります。作品ごとに異なる手仕事の風合いとしてお楽しみください。
※掲載写真や映像は、撮影時の照明やご覧になる画面によって、実物と色の見え方が多少異なる場合があります。